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Vol.11

五つ折れ三味線

戦前、三味線は携行性の面から棹の部分が二本に分かれるの物が普通でした。現在では一本増え、三本に分かれるものが主流となり、携行性は更に高められました。
これは俗に三つ折れと呼ばれています。
今回は更に二本多い、五本に分かれる五つ折れ三味線をご紹介しようと思います。

  

左図が五つ折れの三味線です。右図の三つ折れのものと比べると一本一本がかなり短くなっています
。三味線は継ぎ手と呼ばれる凹凸で繋がれています。接着剤や釘など一切使用しないので、自由に分解することが出来るわけです。
三つ折れでも45×32×15(cm)のトランクで持ち運ぶことが出来ますが、五つ折れは更に小さなトランクで持ち運ぶことが可能です。

しかしこの継ぎ手を作るためには、寸分の誤差も許されないほど繊細な技術が必要です。
継ぎ手の数が増えると、木を成形するときはもちろん、仕上げの際にも素早さと的確さが不可欠になります。 熟練の職人でなければ、作ることはまず不可能でしょう。

良い物をより小さくより使いやすくといった意識と、 それを可能にする職人の努力。

五つ折れ三味線は、いかにも日本人らしい気質から生まれた楽器だと思います。


←中木の継ぎ手。ほぞが二本になっている。普段は見えない場所に凝った技術を使う所に粋を感じさせる。





一本に繋ぎ合わせた状態。間近で見ても、継ぎ手を見つけるのは難しい。→